夢の話

夢を見た。いつにも増して印象的な夢。
私の夢は割と突拍子もないようなことが起こるのはあんまり無くて、とても普通だ。淡々としている。知らない場所が多い。最近は何だか妙にイメージのしっかりした見知らぬ人が出てくる。きれいなお婆さんが出てきて私は、その歯並びやまつ毛の佇まいにぼんやり見惚れている、とか。男の子の瞳や眉を、私は鮮明に覚えていたりとか。割といつもそういう風に人間と、あと色の印象がとても強い。
ゆうべ見た夢もそんな感じだった。

初めて言葉を交わした私と見知らぬ男子は、お互い妙に「しっくり」きてしまってはっきり言って戸惑った。仕方無いので一緒に歩く。知らない町だ。いつの間にかどういう訳かそこは墓地なのだった。きれいな花が咲いていたので私は「見て、変な色。きれい」と男子に言ったのだけど、その花は見れば見るほど変な色だった。菊の花のようにびっしりと花弁が集まっていて、その色は孔雀の羽の緑色のようで中心に向かってグラデーションを描いていた。こんな花があるもんかいな、と多少訝しんでいるとよく見れば墓地全体が妙な色彩であることに気付いた。

桜の花なのか何なのか、木に咲いている花は、薄ピンクかと思いきやオレンジ色でもあり、ところどころ薄いブルーがアクセントになっていてすごく綺麗だった。ていうか絵画みたいだった。変、と私は少しそう思ったが、どの木もそうだったし、とても調和に満ちた場所のように感じたので、自分がそこにいること、ついでに隣にいるのが好きな男子であることにとても満足した。
とかそんな夢だ。面白かった。