今日はめずらしく、というかほとんど初めて、佐々木くんとふたりだけでしっかり話をした。音楽のこと、写真のこと、カメラのこと。佐々木くんの説明は分かりやすくて、とても面白かった。
佐々木くんの普段の話し方には、常に聴衆を意識してパフォーマンスで言葉を選んでいるところが多くて、特にこのごろは鴻野くんとのコンビプレイに磨きがかかって、ふたりの漫才(?)の華麗さには感動すら覚えることもしばしばなんだけども、でも今日は、そんな対不特定多数の言葉じゃなくて、私のための言葉が、私に向けられていて、それはなんだか心にふわっとした。

ああ、私は佐々木くんとこんなふうに話がしたかったのだ。
同じ部内にいると、「みんな」でいることは本当に多いけど、そのぶん一対一で向き合える機会が少なくなるような気がする。
そんな理由で私は3年以上も、部内できちんと一対一で関わっていると言える相手が桐生先輩しかいないなんてのは、
そも私の他人へ距離感にも問題があった(ということに最近気が付いた)んだろうけど、でもどうしても、発せられる言葉がきちんとお互いだけを(つまり第三者がいない状態で)、行き来しないと、どうも「そのひとと話した」という感じがしなくて、

誰とも本当に仲良くなった気がしないのだ。
そうやって、ふたり以上、の場所がやっぱりどうしても好きでないのは、「私」の発する言葉や、「あなた」の発した言葉を、「私」と「あなた」以外の誰かに解釈されることを、あんまり面白いことと思わないからだ。仕方ないんだけど。でもいつもじれったくて。これは独占欲なのかな。
もっと、しみじみと、ふたりきりで話すことをしたいなあ。そうするべきだろう相手が、まだまだいるはずだ。