青年漫画の思い出

私が人生で初めて読んだ漫画は何だろうと考えてみたら、おそらく母の実家の母の弟の部屋にあったエロ漫画ではないかということに思い至った。がーん(乙女ショック!)。
エロというほどでもないかもしれないが、やたらスカートがめくれる漫画だったことは覚えている。コッソリ読んでいた。それが何歳の時かというと、ほとんど物心つくかつかないかの頃だと思われるようなギリギリな記憶なのだが、漫画が読めるということは字も読めないといけないわけで小学校入学の少し前くらいかと思われる。

長編漫画だったようでそれが何巻もあり、ストーリーは全く覚えていないが執拗に読んだ記憶がある。まあエロガキだったのだ。もしかしたら字なんか読んでなかったかもしれない。
母の実家といえば「おばあちゃん家」なわけで、当然妹たちと一緒に遊びに行く場所であった。姉と遊びたがる幼い妹たちの目を盗み、そろそろと二階へ上がりエロ漫画を読む幼い私。おわってる。
ちなみに叔父はもう家を出ていて部屋は空いていたのだが、たまーに戻ってきていたような気がする。読むなと咎められたような気も微かにする。

子供の本の仕舞い方なんて大人から見たら甘かったんでしょーね。それとも見つかったんだったかな。覚えてない…。
そんな可愛らしくない始まり方をした我が漫画人生でしたが、その後は真っ当に少女漫画雑誌に出会う。しかしそれと並行して読んでいたのが父親の買っていたビッグコミックビッグコミックオリジナルだ。親もまさか私が手を出すとは思わなかっただろう。現に妹たちは読んでなかったよ。そのへんに置いてあるので私は普通に読んでいた。でもこう露骨にエロいのもあるじゃないですか。やっぱりコッソリ読んでいた。

さすがに子供には面白くないものも多いので、成長するにつれてだんだん読み幅が拡がっていったのをよく覚えています。でも「ヒゲとボイン」はずっと読んでいた。今でも何が面白いのかよく分かりませんが、小島功の画く女のひとのおっぱいはいい。
中学生になり、「はぐれ雲」や「黄昏流星群」などを読み出すものの大人のセックスシーンを読むことに罪悪感を覚えるザ・思春期。しかも親の本やねん。「三丁目の夕日」は話題に出来ても、老人同士のセックスが描いてあるような漫画については絶対に無理。読んでないふりすらしていました。そりゃそうだ女子中学生。

勿論性的描写の無い漫画も沢山あった筈ですが、すぐに思い出すのはやっぱり後ろめたさと共にある読書経験で、それは少女漫画よりも早く読んでしまった男子の漫画であり、少年漫画より早く出会ってしまった男性の漫画なのであった。
今でも実家に帰ると読んでいます。今は「沈夫人の料理人」と「弁護士の九頭」と「PLUTO」が楽しみ。「銀のしっぽ」と「男の操」は癒し。「山口六平太」も好き。