そのあと、私と鴻野くん含む4人は、鴻野くん家にお邪魔するつもりで終電が終わるまでしゃべってから、歩いて鴻野くん宅まで行った。散歩みたい。
しかし、噂には聞いていたが(部の男子のたいていはここに来ている)、いや聞いていたからこそ、私の掃除欲がむらむらとわいて、一度来てやろうと思っていたのだけど、鴻野くんの部屋は、想像以上に汚かった!!!なにこれ…。途方に暮れる。しかもすごい異臭。

皮膚が言うのだ。こんなとこ入りたくない…。私は自分がうら若い女子であることを思い出さざるを得なかった。そしてさすがに男子たちに「女の子は入っちゃだめだ!あと15分待て!」と言われ、その間、次々ほうり出されるゴミ袋をせっせとゴミ置き場に運んでいた(夜中の二時)。
やっと入れるようになっても、とんでもない汚さ。無秩序。くさい。水まわりとか見たくもない。もちろん赤黒いあいつも出る。男子のひとり暮らしって、ここまでひどくなれるものか、とつぶやいたら「こいつだけだよ!」。そうですよね。

結局朝の四時半まで掃除しまくり捨てまくり。「これ要るの要らないの?」「うーん要らないです」「なら捨てろ!」「カーペット剥いじまえ!」「風呂を洗え」「シーツも洗え」…やってもやっても、納得できるわけがないので、望んで来たとはいえ、主力ふたり(私と同輩男子)も集中力が途絶えがち。でも本棚まわりとキッチンまわりが見違えた。家具の配置を変えさせたら広くなった。
あー…来た甲斐があった、と自己満足に浸る私と同輩男子であった。どうせまた汚くなるんだろうけどなあ。