やっぱり部の飲み会では安心しきって好き放題酔っ払ってしまう。また記憶が曖昧に。今回なんて、今日は飲まない、って決めて行ったというのにこれいかに。
二次会のときに、鴻野くんに頭をなでなでされた。なでなでというか、なでなでとぐりぐりの中間くらいの感じで。私はその時は、酔っ払っていたし、めずらしいなあ、なにしてんだろ、と思っただけだけど(もちろん少し嬉しい。あたまなでなで、って好いてる相手になら女の子にされても男子にされても気持ちいい)、さっき、あれ鴻野くんが私に触ってきたのって初めてじゃないか、と思った。

…、だから…うん、なんだっていうんだろう…。
しまった。
私いまちょっとかなりちょっと、「恋してるっぽい」感じになっている!!
飲み会のあいだもずっと、近くに座れて嬉しかったし、今日も、鴻野くん来てるかなあ、などと思って部室に行ったし、ちゃんと目を見てしゃべってほしくて仕方ないし、最近とかくぼうっとしがちなのだ。
これは予期せぬ事態。困ったなあ…。なにが悪いって、一年生の女の子が、鴻野くんに告白したりするから、つい独占欲の湧いてしまったことだよ。そのせいで、鴻野くんからの愛情を(恋愛感情じゃなくて)、つい、

確かめてみたくなってしまって、やたら近くに行ってみたり、以前よりメールしてみたり、している、ことが否めない。あれー…。
鴻野くんはその女の子からの告白をあっさり断ったのだけど、正直ほっとした。鴻野くんに彼女ができたらめでたいとは思うけど、決して嬉しくはないからなあ。少なくとも、いま部内にできたら、やりづらい…ていうかむしろつらいかもしれない。
恋、恋ねぇ…。うーん。まあ男子と「友達」になるときの、通過儀礼みたいなものだろう。早く通過せねばいかん。