昨日、いつも行っているスーパーの、レジの男の子にメルアドを渡されてしまった。
うっわあ…どうしよう…なにこれなにごと??と私らしからぬ事態に戸惑いながら家に帰って下の妹に報告すると、
「やっとか!初めて話しかけてから何ヶ月経ってんだよ」
とさっそくその男の子にダメ出しをする妹であった。
そのひとが私に初めて話しかけてきたのは確か7月の終わりか8月の始めのころで、
最初のうちは「なに…?」と警戒(というかたんにひと見知りを)していたのだけども、いつも楽しそうに仕事をしているし、

行くたびににこにこ話しかけてくるので、たまたまヘコんでいるときなど、うっかり癒されたりすることも無きにしもあらずであった。
それどころか、私への好意ゆえと思われる行動のいくつかを(たとえばちょっとそわそわしていたりとか、一生懸命話しかけてくる感じとか)、私はたびたび「う、かわいいなあ…」と感じることもあったりした。
めがねをかけた背の高い笑顔のかわいいひとだ。

好意をあからさまにしてくる男子に対して、私もわりと好意的である、という状態は、はっきり言って、初めてじゃないか、と思う。
私は恋愛感情をはじめとする特別な感情を向けられるのが、相変わらず苦手であるけども、最近の意識改革のおかげか、それともそのひとが今までのひとたちと何かが違って特別なのか、
だんだん慣れてきたいま、「あの、メルアドとか訊いたら怒りますか?」とかなんかかわいい言い方をされて、お、怒りはしないでしょ…ていうかそれくらいなら全く嫌ではない、と思うまでに至ってしまったのだった。

自分でも意外だけども、ここらで一度、こういう縁も大事にしてみたらどうだろう、と、思ったりする。
だってどうせ鴻野くんは、私の顔が好きになれないのだ(ほんっとやるせないよね)。
その点レジの彼はきっと、だって私の容姿しか知らないわけだし、かわいいって思ってくれてるんだろう。それは、うん、やっぱり嬉しいなあ。
しかも、興味がある。いままで一切やらなかった分、私にそういう好意があるひととちゃんと関わるってどんなもんだろうと。

というわけで渡されたメールアドレスに、うんうん悩みながら普通のメールを送ってみたらまたかわいいメールがきた。悪くないですね。むしろ嬉しいなあ…。
こんな好意丸出しメール受け取って嬉しいのなんて、ほんとうに初めてだ。私も丸くなったものだね。鴻野くんのせいで「かわいい」って思ってもらえることに餓えてるのもあるかもしれないけど。
メールするくらいとはいえ、だけど、こういうのってずるいだろうか、とは、考えざるをえない。鴻野くんのこと好きなのに。鴻野くんのことを考えると、本当は、こういうこと一切、したくないと思うのに。

でも仕方ないよなあ…。うーん。
どうして色恋沙汰って、無いときは全く無いのに、くるときには一気にくるんだろう。私が現在恋をしているっていうこと自体、ほとんどありえないのに、なぜいま、しかも意外なところから(レジの男の子って何だよ)、好意を寄せられているんだろう。ひとつひとつきてもらえれば、もっと丁寧に対応できるだろうに。