こんなにも間を空けてしまいました。お久しぶりです。

報告が遅くなってしまいましたが、鴻野くんとはあれからお付き合い中です。
水族館デートのとき、まだ私たちの関係がどっちつかずの状態にもかかわらず鴻野くんが手を繋いできたりしたので、
「これは…、このままもう付き合ってるような感じになりそうだ。こいつちゃんと言わない気なんじゃ」
とあんまり期待していなかったのだけども、ちゃんと言いましたよ彼は。
「僕はローラさんが好きです」
と、だけど、そう言えるまでにはもちろんだいぶ時間がかかった。

デートも終盤の夜の喫茶店で、テーブルの上に投げ出された私の右腕を、両手でぎゅうぎゅう握りながら鴻野くんは、
「えーと、あの」「僕ローラさんに言わなきゃいけないことがあるんです」「なんていうか」「…ああッ、恥ずかしい」「あの、」「ていうか、分かってるんでしょう」「だって」「僕はここから先は未知の領域なんですよ!」と5分ほど内容の無い言葉を繰り返し、途中できゅうに我に返ったような声で、
「僕まだ何も言ってないですね」
と言うので私も思わず真面目な声で、
「言ってないね」
と言ってしまう。

気を取り直しにお手洗いへ立つ鴻野くんであった。
私も思わずはーと息を吐いた。うう!なんだこの状況は!面白いけど…!早く終わりたい。…。

「ああー、何て言ったらいいんですかね」
「何て言いたいの」
「…手とか繋いだの、嫌じゃなかったですか」
「嫌じゃないよ」
言うにことかいてここで鴻野くんが、
「ローラさんは僕のことどう思うんですか?」
ときたのでびっくりした。
「ええ…?!それはずるいよ」
「すみません」
「…」
「分かりました。言います」
「うん」
「僕はローラさんが好きです」
思いがけないほど息が詰まった。

「で、ローラさんはどうなんですか」
「えぇーー」形勢逆転。

そのあとは、ひき続いて右腕をぎゅうぎゅうされながら、お互いに「初めて意識したのはいつか」「好きだと思ったのはいつか」などということを暴露し合ったのだった。恥ずかしい!
ちなみに時期的にほとんどおあいこだった。苦しかった秋頃を思い出さずにいられない。めげるなあの頃の私。


そんな感じでスタートし、早20日くらいが過ぎる。付き合うって、意外と普通だ。いや、他人とあんなに長い時間一緒にいるなんて全然普通じゃないけども。面白いものですね。

それにしても鴻野くんとふたりでいるとき、何でこんなになんにも入り込んで来れないのかな、というくらいにほとんど何も考えていない。そしてそれが全く平気なのだ。恐ろしい。恋愛すごい。ほんと恐い。