先日、2年男子の主催で飲み会があった。20人くらい集まったメンバーは、公式の活動とは違って完全に気の置けない顔ばっかりで気楽に楽しかった。でも男子ばっかりでむさくるしかったなあ。
そんなアルコール濃度の高まるなか、遠くの席から後輩の春日くんが、「ローラさんに質問があるんですけど」「なに?ちょっと遠いよ」そのまま大声で、
「ローラさんは何で鴻野くんと付き合ってるんですか?」
(全員爆笑)

…そんなに笑わなくても…。いくら飲みの席とはいえこの爆笑、この扱いは、みんな鴻野くんのことだいぶみくびって考えているのに違いない。鴻野くんはわりとこうだ。基本的にあなどられた扱いを受けている。春日くんの質問からして、じつはみんなが思っていることらしい。
鴻野くんといちばん仲の良い佐々木くんでさえ、「あ、僕もちょっと不思議です」などとひょうひょう言うしまつ。佐々木くんめ。
いや…、分からなくはないんだよ。
確かに、同じ男子(とくに同い年とか)から見て、自分が女だったら鴻野は無いよな、と考えるに足るダメさを、鴻野くんは十分に持っている。しかも分かり易く、ツッコみ易いかたちで。
鴻野くんは、たとえば、日々肥えている。服のローテーションが一年中同じだ。身だしなみに気を使っている様子がない。実の無い冗談ばかり言う。そのうえ、のんきでめったに怒らなさそう。
そういう鴻野くんは、周辺男子にとっていじり易く、でも、また、愛されているとも言える。春日くんの質問だってみんなの爆笑だって、半分は冗談なのだ。
しかし、しかしやっぱり半分は本気だと思う。とくに春日くんの繰り出す質問は、ひどかったなあ…。「鴻野くんのどこが好きなんですか?」「優しさですか?」「直してほしいところは?」「結婚とか考えるんですか?」
私は「お風呂に入ってほしい」「食欲をコントロールしてほしい」などと笑ってもらえるダメ出しを言い、あとはごまかしていたけど、飲みが終わって帰るころになってはっとした。
あれじゃあほとんど、私が鴻野くんのダメさを良しとして、それだけで付き合っているみたいじゃないの…!
違うのに。全然違うのに!ただの同級生のあんたたちは知らないだろうけど、鴻野くんはすごいんだよ。少なくとも私は、鴻野くんてすごいなあと思いながら付き合ってるんだよ。確かに部屋は散らかすし、身奇麗さのカケラも無いけど。
ていうことを次回は言わないと!と思った。どうでもいいかもしれないが。