見たくない

資生堂マキアージュのCMは、何度見ても言語感覚が狂ってるとしか思えない。
口唇の輝きを「街中で浮く」という言い方で誉めたり、相手の肌の美しさを「おとなげないよ」と言ってみたり(こっちの方はまだマシかなぁ)、その言葉の使い方はCM上の効果なのは分かるけど、違和感を通り越して不愉快なのは私だけでしょうか。
狙いはその「ズレ」によるインパクト、なんだろうけど、気持ち悪いなぁ。私には「どうも日本語を間違えている」人が、良い意味のつもりで使った誉め言葉を、相手も馬鹿だからそのまんま受け取って喜んでいるという痛々しい図にも見えます。

確かにある言葉をあえてその言葉から「ズレ」た場面で使うことで、生まれる面白さというのは実際色んなとこで有り得ると思うけど、でもこの場合化粧品のCMですからやっぱり、女性を、美しさというものを、賛美していかなきゃいけないわけですよ。その役目を「浮く」と「おとなげない」というマイナスの言葉をプラスにズラすことによって負わせるのには無理がある。ていうか破綻してるとすら思う。演出として。だってきっと言われたらムカつくよ…?

私だったら相手がいくら誉めてるつもりでも「浮く」なんて言われたら(むしろ余計に)腹立つし、「おとなげないおとなげない」などとプンスカされても「頭悪いんじゃないの…」と思うばかりに違いないもん。いい気分で化粧直しなんてしてられません。
でもこの言葉の「ズレ」が狙った通りに機能して、面白いと思う人もいるのかなぁ。
まあそれならそれでいいけども。